ヒャダイン 20112012

「ヒャダインと野宮真貴のカカカタ☆カタオモイ-F」|なぜか涙が出る

ピチカート・ファイヴから野宮真貴、そしてヒャダインへ 3/3

恥ずかしいことに、この曲を聴いていると涙が出てきます。

悲しい曲ではありません。

むしろ、とても楽しくて、ポップで、遊び心にあふれた曲です。
それなのに、野宮真貴さんのスキャットを耳にしたあと、いつもの「カカカタ☆カタオモイ」のイントロがはじまった瞬間。
胸の奥にしまっていた何かが動き出すような感覚があります。

たぶん、2012年のこの曲だけを聴いているわけではないから。

私の中では、1996年の「ベイビィ・ポータブル・ロック」から続いている時間が、一緒に流れているのだと思います。

ヒャダインと野宮真貴のカカカタ☆カタオモイ

この組み合わせを、私は「なんてぴったりなんだろう」と思いました。
しかも、いつものヒャダインパートを野宮真貴さん、ヒャダル子をヒャダインがピッチを変えずに歌っています。

ヒャダル子は、ヒャダインのピッチを上げ、女性的にした声。

ヒャダインは、もともとピチカート・ファイヴが大好きだった人。
ゲーム音楽やインターネット文化を通ってきた世代のクリエイターです。

そして野宮真貴さんは、ピチカート・ファイヴの3代目ヴォーカル。
渋谷系の中心にいた人。

「ヒャダインと野宮真貴のカカカタ☆カタオモイ-F」を聴いていると、世代の違いが壁になっていないことに気づきます。

二つの感性が、無理に寄せることなく、自然につながっている。

野宮真貴さんの声には、変わらない都会的な軽やかさがある。

そこにヒャダインのポップな感覚が加わることで、新しい景色が生まれています。

自分が大切にしてきた音楽が、遠い存在だった人とつながる瞬間。
好きだったものが、次の時代で新しい形になる瞬間。

ヒャダイン 20112012

30年前、私はピチカート・ファイヴのドーナツ盤を受け取りました。
レコードをくれた彼は、ピチカート・ファイヴを好きだったわけではありません。
でも、私が好きなものを大切にしてくれました。

そして、実はヒャダインとの出会いは、小学生だった娘がきっかけでした。
娘が鉛筆でURLを書き留めていたのです。
そこへアクセスしてみると、「スーパーマリオワールドで、ウエスタンショー」という、クスリと笑えるYouTubeの動画でした。

子どもがきっかけで出会ったクリエイターが、後にその作品に、私がもともと好きだった、あの洗練された野宮真貴さんを迎えることになる。

世界って面白い。

好きなものは、誰かの手から誰かの手へ渡っていく。

いろんな愛情を思うだけで、頬から耳まで赤くなり、涙が溢れるのでした。

そういえば先日、中学生に「好きなタイプはヒャダイン」と答えたところ、誰もヒャダインを知らなくて少しショックを受けました。

私の中では、ピチカート・ファイヴへの愛情を持ち、ポップカルチャーを自由に料理する、とても魅力的な人なのですが。

世代が変われば、知っている景色も変わる。
だからこそ、好きなものは誰かに渡していくのかもしれません。

ピチカート・ファイヴから野宮真貴、そしてヒャダインへ 1/3

ピチカート・ファイヴから野宮真貴、そしてヒャダインへ 2/3

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