塩辛、チーズ、プーアル茶。私の記憶も発酵している

最近のインターネットは、とても速い。
出かけた場所。
買った服。
その日の気分。
スマートフォンで撮って、すぐ投稿する。
そういう楽しさも、私は嫌いではありません。
そのとき、その瞬間は大事だと思っていたのに、あとから読み返すと、そうでもなかったりします。
反対に、そのときには何とも思っていなかったことが、何年も経ってから急に気になったり。
今の私は、どうも「すぐ書く」ことが苦手らしい。
ロンドンで暮らしていた頃のこと。
好きだった服や雑誌。
香りや音楽。
古いマンションに惹かれた理由。
その頃のことを、今になって書いてみる。
すると、案外現在の暮らしのすぐそばにあることに気づくのです。
時間が経つと、記憶は薄れるだけではなく、少しずつ別のものに変わっていくことがあります。
その時間が、私には「発酵」のように思えます。
すぐには食べられないけれど、寝かせておくことで、別の味になる。
もっと若い頃だったら、「見て!見て!」と注目を浴びたくて、書いたかもしれません。
カッコつけてもいたと思います。
50代の今は、もう少し俯瞰して、ゆったりと書けて楽しい!
自分では当然すぎて、人に話すこともほぼなかったロンドンのことも、書いてみようと思いました。
乳がんについても同じです。

そして、乳がんのような大きな出来事だけではなく、毎日の暮らしの中にも、立て直すことはたくさんあります。
髪を整えたり。
身につけるものを選び直したり。
家の中を少し片づけたり。
好きな音楽を聴いたり。
そんな小さなことを繰り返しながら、日々、ちょっとずつ暮らしを立て直している。
たぶん、このサイトは、そういうことを書いている場所です。

















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