よく聴くセラニポージのアルバム『ワンルームサバイバル』。
その中に、「スマイリーを探して」という曲があります。
歌詞を深く考えたことはなく、正直に言えば、「僕」は、どうしてこんなに待ち続けて疲れないんだろう、とさえ思っていました。
どこを探しても見つからない相手を、いつまでも探し続ける姿は、少し間抜けにも見えていたのです。
でも、それは私が、この曲の本当の切なさに気づいていなかったからでした。
この曲の聴こえ方が変わったのは、息子が小学校高学年の頃でした。
ある日、ぽつりとこう言ったのです。
「僕のスマイリーはどこにいるんだろう」
その一言に、私ははっとしました。
息子は、小さい頃から興味を持ったことは驚くほど深く調べる子でした。
恐竜でも、兵器でも、ゴジラでも、歴史でも。
図鑑や本を読み込み、動画を見て、自分なりに知識を積み重ねていく。
大人とは話が合うことも多かった一方で、同世代の子どもたちとは、なかなか同じ熱量で語り合える相手がいませんでした。
知識を披露したいわけではない。
ただ、自分と同じように夢中になって話せる誰かがほしかったのだと思います。
私は、あの一言のおかげで、この曲を違う景色で聴くようになりました。
音楽は、不思議です。
何年もただ好きで聴いていた曲が、たった一言でまったく違う意味を持ち始めることがあります。
今でも「スマイリーを探して」を聴くたびに思い出すのは、気球ではなく、あの頃の息子の横顔。
「僕のスマイリーはどこにいるんだろう」
胸が締め付けられます。
今も探しているはず。
あの日の問いは、きっと息子だけのものではありません。
誰もが人生のどこかで、自分だけの「スマイリー」を探しているのかもしれない。
そんなことを思いながら、今日もこの曲を聴いています。
スマイリーを探しての歌詞について私なりに要約したものです
1. 旅の準備は万端、だけど…
主人公は白い気球を作り、ヘルメットやパラシュートもおそろいで2つずつ用意して、いつでも旅立てる完璧な準備を整えました。
しかし、一緒に旅をするはずの友達がどこを探しても見つかりません。
地面を掘り返したり、ポストで待ったり、あらゆる場所を探しても足取りは掴めないままです。
2. 「スマイリー」という存在
主人公は、その探している友達に勝手に「スマイリー」という名前をつけています。
出会うことができれば、一緒にポップコーンを空に打ち上げて笑い合ったり、広い空を風を切って二人でどこまでも飛んでいけるはずだと信じています。
3. 迫る冬と焦る心
気球を運んでくれる渡り鳥からは「寒い冬が来る前に南へ飛び立ちましょう」と急かされますが、佇む影は主人公ひとりのままです。気球はもう膨らんでいるのに、旅の相棒である「君」がいないと、心が重くて飛び立つことができません。
このまま今年もここで冬を越すことになるのだろうかと、焦りと寂しさが募っていきます。
4. 明かされる切ない真実
物語の最後で、実はその探している友達とは「会ったこともなければ、本当の名前すら知らない」存在であることが明かされます。
それでも主人公は「いつかみつけだすよ きっと」と、まだ見ぬ親友との出会いを願い続けています。






