「ヒャダインと野宮真貴のカカカタ☆カタオモイ-F」|なぜか涙が出る
ピチカート・ファイヴから野宮真貴、そしてヒャダインへ 3/3
恥ずかしいことに、この曲を聴いていると涙が出てきます。
悲しい曲ではありません。
むしろ、とても楽しくて、ポップで、遊び心にあふれた曲です。
それなのに、野宮真貴さんのスキャットとヒャダインの歌声を耳にしたあと、いつもの「カカカタ☆カタオモイ」のイントロがはじまった瞬間。
胸の奥にしまっていた何かが動き出すような感覚があります。
たぶん、2012年のこの曲だけを聴いているわけではないから。
私の中では、1996年の「ベイビィ・ポータブル・ロック」から続いている時間が、一緒に流れているのだと思います。
いや、もっと遡っているのかもしれない。
ロンドンでピチカート・ファイヴを聴き始めた、1992年*注まで。

この思いがけない矢継ぎ早な曲に、野宮真貴さんが参加って!
しかも、いつものヒャダインパートで。
そしてヒャダル子(女性パート)をヒャダインが。
役割が入れ替わっているようでいて、どこか二人の距離がぐっと近くなる感じがして、これがまた面白いのです。
ヒャダインは、もともとピチカート・ファイヴが大好きだった人。
ゲーム音楽やインターネット文化を通ってきた世代のクリエイターです。
そして野宮真貴さんは、ピチカート・ファイヴの3代目ヴォーカル。
渋谷系の中心にいた人。
「ヒャダインと野宮真貴のカカカタ☆カタオモイ-F」を聴いていると、世代の違いが壁になっていないことに気づきます。
二つの感性が、無理に寄せることなく、自然につながっている。

30年前、私はピチカート・ファイヴのレコードを受け取りました。
レコードをくれた彼は、ピチカート・ファイヴを好きだったわけではありません。
でも、私が好きなものを大切にしてくれました。
そして、実はヒャダインとの出会いは、小学生だった娘がきっかけでした。
娘が鉛筆でURLを書き留めていたのです。
そこへアクセスしてみると、「スーパーマリオワールドで、ウエスタンショー」という、クスリと笑えるYouTubeの動画でした。
子どもがきっかけで出会ったクリエイターが、後にその作品に、私がもともと好きだった、あの洗練された野宮真貴さんを迎えることになる。
世界って面白い。
好きなものは、誰かの手から誰かの手へ渡っていく。
いろんな愛情を思うだけで、頬から耳まで赤くなり、涙が溢れるのでした。

そういえば先日、中学生に「好きなタイプはヒャダイン」と答えたところ、誰もヒャダインを知らなくて少しショックを受けました。
私の中では、ピチカート・ファイヴへの愛情を持ち、ポップカルチャーを自由に料理する、とても魅力的な人なのですが。
世代が変われば、知っている景色も変わる。
だからこそ、好きなものは誰かに渡していくのかもしれません。
ピチカート・ファイヴから野宮真貴、そしてヒャダインへ 1/3
ピチカート・ファイヴから野宮真貴、そしてヒャダインへ 2/3
















コメントを残す