
〜『Olive』333号「好きなものベストBOOK!」にインスパイアされて〜
Best of ミュージック
大好きミュージシャン10人が選んだ、⚪︎⚪︎な時に聴くこの3枚
しとしとと雨が降る午後には、独特の静けさがあります。
窓の外の色が少し鈍くなって、部屋の中だけ時間がゆっくり流れるような感覚。
そんな時に淹れる一杯のお茶やコーヒー。
そして、スピーカーから流れる音楽。
今回は、そんな気分で。
私にとっての“心地よい孤独”を彩る3枚を選んでみました。
フレネシ『キュプラ』
窓を叩く雨粒を眺めながらのアイスコーヒー

乙女っぽさだけでは終わりません。
甘さの奥に、少しだけ棘があるのです。
雨の日にフレネシを聴くと、その「毒」と「甘さ」が湿度に溶けて、部屋の空気ごと空想の世界へ変えてしまいます。
誰にも会わない午後。
氷が溶けて薄くなったコーヒーを飲みながら、ぼんやりする時間によく似合うアルバム。
セルジュ・ゲンズブール『囚われ者(You’re Under Arrest)』
思考を整理しながら、パンクな気分になりたい時

年齢を重ねると、人は簡単に“無難”へ滑っていきます。
私も油断すると、すぐ守りに入りそうになるのです。
そんな時にゲンズブールを流すと、部屋の空気が少しだけ不良になり…。
お茶を飲みながら、
「それ、本当に好きなの?」
「ただ疲れて、諦めてない?」
と、自分に問い返すのです。
日常に溜まった澱を、煙草の煙みたいにふっと散らしてくれる1枚。
クレモンティーヌ『アン・プリヴェ〜東京の休日』
本を片手に、ゆっくりページをめくる時

田島貴男、小沢健二、当時の日本の気鋭アーティストたちとクレモンティーヌのコラボレーションアルバム。
“東京の休日”という言葉がよく似合います。
気取っていないのに、どこか洗練されていて。
古い雑誌や文庫本をめくる時間の温度に、すっと馴染みます。
静かな音楽を流しながら本を読む時間って、たぶん贅沢というより、“生活を守るための避難所”なのだと思います。
背筋がスッと伸びるような、それでいて心地よい湿度のあるラインナップ3枚でした。



