1999年らしい、Y2K直前のグラフィックデザイン。
真っ赤なハート、左右反転した顔、ネオンのような配色。
この鮮烈な広告に惹かれ、西武池袋本店へ向かい、すぐに購入したのが、イヴ・サンローランの「ヴァイス ヴァーサ」でした。
「ヴァイス ヴァーサ」とは、「逆もまた然り」。
香りも広告も、相反する魅力や二面性を遊ぶように表現した作品でした。
私には、恋愛やクラブカルチャー、ポップアートのような「外へ向かうエネルギー」をまとった香りに感じられました。
岡崎京子『ヘルタースケルター』の主人公、りりこがつけていたら似合いそう。
当時の私には甘さが強く、キャンディで体がコーティングされるような印象でした。
好みとは少し違ったけれど、それでも使い続けてみた思い出があります。
使い切れないままボトルは手放してしまいましたが、このリーフレットだけは今も残っています。

1999年、サンローランの香水100mLでも8,800円という価格設定に、時代の変化を感じます。
今なら50mLで20,000円前後は珍しくないから、約30年で価格はかなり高騰しています。
もちろん原材料や物流、為替の影響もあるけれど。
「デパートで気軽に憧れのブランド香水を買えた時代」が確かにありました。
家の中を探せば、ヴァイス ヴァーサのためのショッパー(紙袋)もどこかに残っているはず。
あの紙袋を下げて帰る時間、とにかくうれしかったのを覚えています。






