18歳のロンドンで、初めて「自分の香り」を見つけた

18歳のロンドンで、初めて「自分の香り」を見つけた

今では、暮らしの中で香りは欠かせない存在です。

30年以上、たくさんのフレグランスを纏ってきました。

では、そのルーツはどこだったのでしょう。
18歳で渡ったロンドンでした。

すれ違う人も、出会う人も、皆それぞれの香りを身につけていました。
ホストマザーの老婦人も。
それが当たり前の嗜み。

今でも思い出せるのは、キャシャレルの名香「アナイス アナイス」をつけている人とすれ違うたび、思わず目で追いたくなっていたこと。
ユリを思わせるクラシカルな香り。
凛としているのに、ふわりと女性らしさもある。
香りだけで、その人の印象まで心に残る。

そんな体験は、それまでの私にはありませんでした。

衝撃でした。

これがカルチャーショックというものなのかも。

私も、自分だけの香りが欲しい。
そう思うようになりました。

当時の日本のハイファッション誌やモード誌の裏表紙にも、よくゲランのサムサラの広告が載っていたことも覚えています。

それまでの私は、祖母が誰かの海外旅行のお土産にもらったシャネルの5番を使ったことがある程度。
しかも、適量も分からず、つけ過ぎていただけでした。

何か、自分らしい香りは?

ロンドンの定期券「トラベルカード」を使って、街をあちこち歩き回りました。

トラベルカードは、中心部をゾーン1とし、その周囲をゾーン2、さらに郊外へ行くほど数字が大きくなる仕組みです。
私は当初、Charltonという街でホームステイをしていました。ゾーン3です。
そのエリア内なら、バスも地下鉄も国鉄(当時)も乗り放題。

とても便利で、学校帰りや休日、気の向くままに出掛けていました。
バスも停車中だったら、どこででも乗り降りできます。
車両の後ろがオープンになっているから。

ロンドンの1993年のトラベルカード

2枚のトラベルカードは、1日乗車券。
どちらも、平日の朝のラッシュアワー(通常は午前9時半以前など)を避けて利用する、割安のオフピークカードです。

このロンドンの交通については改めて書きたいと思います。

さて、まだ当時の熊本にはなく、東京にも数店舗しかなかったTHE BODY SHOP
ロンドンでは街のあちこちにあり、気軽に立ち寄れる存在でした。
そこで選んだのが、パフュームオイルです。

1000円ほどだったでしょうか。
初めて香りを選ぶには、ちょうどいい価格でした。

しばらく迷って、ティーローズに決めました。

ローズだけではない、どこかノスタルジックな空気に惹かれたのです。
華やかで甘い「女性らしさ」よりも、少し翳りのある香りのほうが好きだったのでしょう。

毎日、両手首に少しだけつけて出かけました。
ふとした時に手首を鼻へ近づけ、自分だけが分かるくらいの香りを確かめる。
拡散性はほとんどなく、とても控えめでした。

面白いことに、それから約30年後。

小さかった娘が、自分で選んで使っていた香りも、THE BODY SHOPのティーローズのパフュームオイルでした。

THE BODY SHOP PERFUME OIL

ボトルのデザインは変わっていましたが、瓶の形は同じ。
親子で、同じ香りを選ぶなんて。

あまり使われないまま(笑)、思い出ごと閉じ込められたボトルは、まだ飾られています。

私が初めて、自分の意思で選び、自分のために纏った香り。
THE BODY SHOPのティーローズ(パフュームオイル)。

この一本を使い切ってから、私のフレグランスの旅が始まります。

30年以上、さまざまな香りを纏ってきて、ようやく分かったことがあります。

私が惹かれるのは、

古い図書室。

雨の日。

そして、ロンドン。

そんな空気をまとったもの。

香りを楽しむことは、ロンドン留学で得た大切な収穫の一つでした。

2026-07-10|タグ: , ,
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