
今、リビングのどこかで7kgの忍者が静かに移動している。
我が家に新しい家族、ピノがやってきたのは2023年8月のことでした。

当時の家には、少しだけ静かな時間が流れていました。
学校から戻り、外の世界との繋がりを模索していた息子が、唯一心を許していたのが「地域猫」という存在だったのです。
私自身ももともと猫が好きだったこともあり、自然な流れで保護猫を迎えることを決めました。
小さなご縁と、ひとつのバトン
迎えるにあたって出会ったのは、とても丁寧に1年間その猫を見守ってきた青年でした。

ピノは、2022年4月生まれのまだ若い猫で、ちょうど1歳を少し過ぎた頃でした。
すでに子猫というより“若い猫らしさ”が出てきたタイミングで、エネルギーも好奇心もいっぱいの時期でした。
パールのついたおしゃれな首輪をつけて現れ、さらに、ご飯、トイレ、ブラシや爪研ぎなどの“婿入り道具”一式まで持参しての引き渡しでした。
そのひとつひとつから、大切に育てられてきた時間が伝わってきて、胸の奥がじんわりと熱くなったのを覚えています。

名前は変えてもいいと言われていましたが、私たちはそのまま「ピノ」と呼び続けることにしました。
衝撃のスリスリ大歓迎
会いに行った先での初対面のピノは、緊張という概念を持っていないかのように「ぴょん」と近づいてきて、そのまま足元に全力スリスリ。
私と母の足に、これでもかという勢いで愛情を押し付けてきました。
「え、なにこの子、可愛すぎる…」
その瞬間、私たちは完全に陥落したのでした。
食いしん坊な忍者
事前に「かなりの食いしん坊です」とは聞いていましたが、それは本当でした。

気をつけていても食べ物の気配を察知し、ゴミ箱もチェック対象。
気づけば体重は7kgを超え、堂々たる存在感に。
それでも不思議なのは、その動き。
あれだけの体格なのに、音もなくスッ…と移動する姿はまるで忍者のようです。
ちなみに掲載している写真はすべて2023年当時のピノ。
今より少しスリムな頃の姿ですが、すでに“忍者気質”は完成していました。
息子との絆と、小さな知恵比べ
ピノにとって息子は、特別な存在です。
息子がアルバイトから帰ってくる時間になると、必ず玄関付近で待機。
その姿はまるで約束を守るような忠実さで、猫というより相棒に近い存在になっています。

ただし賢すぎるがゆえの問題もあります。
綿棒への執着は異常で、隠しても必ず見つけ出す。
引き戸も自力で開けて侵入してくる。
毎日は、ちょっとした知恵比べです。
家族の中心にいる存在
ピノは、気づけば家の空気の中心にいます。

主張しすぎないのに、ちゃんとそこにいる。
静かに、でも確実に家族をつないでくれる存在。
あの日、大切に送り出してくれた保護主さんへの感謝を忘れずに。
この小さな相棒との日々を、これからも大事に積み重ねていこうと思います。



